VOL.45 獣医の日記
プールを泳ぐペンギンたちが気持ちよさそうにみえる季節です(一部は換羽中で苦しそうにボソボソになっているかもしれませんが…)。病気やけがなど事情があってバックヤードにいるペンギンにも、小さいプールを用意してあり、毎日気持ちよさそうに泳いでいます。 こちらのバックヤードで長く暮らしている常連のペンギンがいます。趾瘤症といって、足の裏にタコのようなものができてしまい、それが骨に達してしまったためやむなく片足の指を切断したのですが、とても元気です。今は数日に一度、足を保護する靴代わりともなっている包帯を交換しつつ、状態の確認をしています。が、このようなことを数年も続けていると相手も慣れてくるもので、処置のために保定(捕まえて、治療しやすい姿勢を保つこと)していると、上手に体をくねらせていつのまにか人の腕から抜け出す寸前になっていたり、急に振り向いて反撃してきたりすることもしばしばです。さらには、つけたばかりの包帯をそのままの形ですっぽり脱いでしまうことも出てきました。これを脱ぐと、結局また巻かれる…ということにはまだ気が付いていないようで、しっかり足の裏を保護しておきたい我々との攻防はまだ続きそうです。